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「3.11」とタイムスリップ・ゾーン

投稿日: 2015年1月7日 | 投稿者: ★ちょろQコレクション★

宇宙NEWS LETTER 2014
「3.11」とタイムスリップ・ゾーン

http://amanakuni.net/uchu/58.htmlより転載
2011年3月11日に東北地方・太平洋岸で発生した未曾有の巨大地震と大津波。そしてさらに、続けて起きた福島第1原発のメルトダウン、放射能放出事故―。誰もが衝撃と混乱の只中に巻き込まれていたその時、被災地のど真ん中で、信じがたい超常現象が発生していたという情報がある。
津波が引いた後の瓦礫の街で、“時間を超えた”としか思えない体験者の報告が寄せられているというのである。
 大地震・大津波を起こした地球のエネルギーと、原発のメルトダウンは、ひょっとしたら科学者の予想をはるかに上回る、想定外の現象を引き起こしてしまったのかもしれない―。
東日本大震災の被災地で“時空の揺らぎ”現象が起きていた
 昨年9月に、アメリカの超常現象誌『アトランティス・ライジング』2011年9・10月号に掲載された英文の取材レポートがある。
 そこには日本の女流物理学者―今井理佐教授(仮名)が、震災直後の被災地で自ら実地調査した自らの物理理論を裏付けるという異常な超常現象が報告されている。
 東京在住の物理学者・今井理佐教授は、東日本大震災の際に、多数の日本人が時空連続体の基本構造に発生した“時間の遅れの波紋”を体験したと主張する。
 今井教授が被災地で現場調査を行ったところによると、「3.11」震災直後、宮城県仙台近郊の海岸地帯の被災地で、「時間を超えた」、あるいは時空の揺らぎを体験した―という被災者が実は多く存在しているというのだ。その一つの事例はこうである。
―仙台市近郊の沿岸部が津波に全てを押し流された数日後、被災地の現状を調べ、また行方不明になった家族を捜す目的で、避難した被災者の一団が、ワゴン車で被災の現場に戻ってきた時にその現象は起きた。
 小道を走っていたワゴン車は突然、異様な形をした“雲”のようなものに突入した。
 真っ昼間だったが、雲はかすかに光っていて、車が進むにつれて長く伸びながら包み込むように見えたという。その間、数瞬間、ドライバーも含めて同じクルマに乗り合わせた全員が、クルマの両側に昔懐かしい古風な村落の風景や人間を目撃したのだ。
 ただ、それは昔は昔でも、どこかひどくちぐはぐで、違和感を感じさせる奇妙な景色だった。
 体験者の一人で避難者グループに付き添っていた警防団員、中村東治氏の証言によれば、古い写真でよく見るような英国のビクトリア王朝時代と、日本の江戸時代をミックスしたようなへんてこな光景で、シルクハットの紳士たちと顔をペイントした着物姿の娘たちが腕を組んで歩いているかと思えば、向こうでは伝統的な侍姿のいかつい男たちが闊歩していたという。
「一瞬、映画の撮影現場に間違って迷い込んだのかと思ったほどだったが、被災現場を撮影する人はいても、こんな時期にこんな場所で、時代劇みたいな映画を撮っているはずはないし―」
 中村氏とグループ一行の主張では、景色は不安定に揺らめいてはいたが、確かに昔の家屋が立ち並び、人々が生き生きと動き回っている村か町の光景だったという。
 さらにハンドルを握ったまま呆然としてしまったという政府機関員A氏(保安上の理由で匿名)は、続けてこう証言した。
「1分かそこら車が進むうちに、あの奇怪な“雲”が消えた途端、まるで瓦礫に乗り上げたようなショックを車体に感じた。次の瞬間、周りの“幽霊じみた世界”が、元通りの見慣れた世界に戻っていた―」
 他にも何人もの被災者が、封建時代から1940年代とおぼしい時代までの歴史世界、ないしは時間軸が微妙に異なるパラレルワールド的別世界の光景を、時空を超えて垣間見たという報告があるという。ほとんどの事例は、上記の被災者グループの集団体験よりもずっと短時間、“過去”を覗き見した瞬間的タイムスリップに過ぎないが、今井教授の調査報告の中で最も特筆すべき特異なケースは、被災男性が一人、妻の目の前で“時空の穴”に消えてしまったという驚くべき事件だ。
 震災4日目の3月15日、藤原淳子さん(仮名)は、夫の久和氏がほんの一瞬間だけ目の前に開いた“時空の穴”に吸い込まれるのを見て、恐怖の悲鳴を上げた。夫人の証言では、“時空の穴”が閉じた時、落雷のような音が響きわたったという。その後、その男性の行方は全く分からない。
今井教授は、この事例に関連があるかもしれない後日談を一つ付け加えている。
教授の知人という東京警視庁の刑事B氏(匿名)から得られた情報によると、全く同姓同名(藤原久和)を名乗る男が、1981年当時、B氏の勤務する所轄署に駆け込んだという。
男が話したところでは、“時空の穴”を通って最初は1960年代に出たが、再び“時空の穴”に吸い込まれたら、今度は現代(当時)の1981年3月15日に出現したという。B氏が名前と日付をはっきり覚えているのは、ちょうどその日が、B氏の新人警官としての初出勤日だったからだそうだ。その後、その男がどうなったかは不明だ。
 今井教授は、男がB氏の前に現れた年月日が、東日本大震災で被災した同姓同名の男が、妻の目の前で消えた年月日のきっかり30年前という事実から、両者の姓名の一致は偶然ではなく、完全に同一人物か、あるいはパラレルワールドのいずれかから“時空転移”してきた別バージョンの当人だろうと推測している。
「イリヴィッチ文書」と重なる今井報告
 今井教授によれば、同じような“時空転移”現象は、1986年4月26日、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で、核燃料の爆発・メルトダウンが起きた直後にも発生したと報告されている。
 当時、この怪現象の調査に当たったのは、諜報機関KGBの原子科学部職員セルゲイ・イリヴィッチ氏で、この人物はソ連解体後、国営建設会社OKBギドロプレスの原子力施設部門で核問題コンサルタントを務めていたという。
 イリヴィッチ氏が作成した数点の調査文書は、当時はむろん機密扱いだったが、つい最近になってアメリカの情報自由公開法に類するロシアの新法により、一部がようやく日の目を見た。
 そこにはチェルノブイリ住民たちが、多くの“時空の穴”現象を体験して、2世紀前の帝政ロシア時代や、1世紀半前のナポレオン戦争時代の、過去の光景を覗き見たことが記録されていた。それだけでなく、住民が“時空の穴”に踏み込んだまま戻ってこなかったケースも、数点報告されているという。しかし、今井教授が調べたケースと著しく性格を異にするもっと信じがたいケースも、イリヴィッチ文書には報告されていた。
 過去の事物が現在(1986年当時)に“時空転移”されてきたという数件の事例である。中でも一番ショッキングなのは、第1次大戦中にドイツ軍が使用したツェッペリン型飛行船が1台そっくり、空中に現れて、チェルノブイリ原発からさほど遠くないプリピャチ市郊外に墜落、爆発したという事件だ。
 燃え残った残骸に乗組員の姿はなかったが、しばしば報告される“漂流する無人幽霊船”と同様、士官食堂には食べかけの料理皿などが散乱し、つい先刻まで人が乗っていた気配が感じられたという。
 この大戦中、ドイツは少なくとも119台の軍用飛行船を飛ばしたが、撃墜や爆破されて消息不明になったものが多かった。そのうちの1台が“時空の穴”を通って、こちら側へ時空転移したものかもしれない。
 調査報告書をまとめたイリヴィッチ氏も今井教授も、四半世紀の時を隔てて、全く同じ結論に達している。
「核放射線の突発的な大量放出が、当該領域の時空現実内に時間の遅れ効果をもたらし、その作用地域内の信頼のおける在住者、ないしは通過者による観察報告によって裏付けられた」
 誰でも思うことだろうが、東日本大震災に関わるこれほどの異常な事件が起きていたなら、どのような形にしろ事件なり現象なりの情報が少しは表面化したり、インターネットに出たり、地元やマスコミが全く知らないはずはないのだが、現実にはそうなってはいない。現在のところ唯一の情報の出所は、この雑誌の活字版とネット上の電子版のみで、他からは関連した情報は上がっていない。
 登場者の氏名も職業も所属機関も確かめようがないため、“今井教授”をはじめ全員の名前を仮名や匿名にとどめるしかなかったということだ。しかし、掲載誌の『アトランティス・ライジング』は信頼性の点ではアメリカ屈指の超常現象専門誌として知られており、1997年に創刊以来、隔月間発行されている。 執筆陣も超常現象に理解のある大学教授や科学研究所員を含め、著作が知られる高名な学者・研究員が多くを占めている。
 現時点では、真偽の判定は、この件に関する新情報、新事実が今後、明るみに出てくることを期待したい。
 これらのことがもし事実なら、実は驚くべきこと、大変なことが起きているのかもしれない。それは地震と津波によって解放された地球の電磁エネルギー、さらには原発事故によって放出された核エネルギー=放射能の拡散が関わり、影響しているのだろうか。
 少なくとも、かの巨大地震や津波が起きていなかったら、こういった「時空の揺らぎ」的現象も起きていなかっただろう。
「イリヴィッチ報告」や、今井教授が言うところの「核放射線の突発的な大量放出が、当該領域の時空現実内に時間の遅れ効果をもたらす」―つまり、“時空の穴”を作る。
 はたして、そんなことがありうるのだろうか。“時空の揺らぎ”現象が起こったという現場は、福島原発から100キロほど距離があり、直接、高い放射能のプルーム(雲)を浴びた一帯でもない。放射線の大量放出が、“時空の揺らぎ”現象に関わっている可能性は大だと思うが、断定は避け、今のところ要因としての一つのファクターとして考えておきたい。
パラレルワールドの往来を可能にする“時間ストーム”
 イギリスのベテランUFO研究家のジェニー・ランドルス女史は、2002年に発表した『時間ストーム:時空異常と時間転移の驚くべき証拠』と題する著作で、彼女が“時間ストーム”と呼ぶ局所的な“白霧”に関する事例を検証している。大気の電磁気的擾乱から発生するという白霧―電子雲。ランドルス女史はこう述べる。
「“時間ストーム”は、光速度で移動できる時間も空間もない電磁エネルギー場で構成されている。この宇宙は万物が同じだが、少しずつ異なる無数のパラレルワールドからできていて、“時間ストーム”はその間の往来を可能にする天然の窓なのだ」
 ランドルスが言う“窓”とは、仙台市近郊でワゴン車を包み込んだ“雲”であり、また今井教授が指摘した“時空の穴”でもある。
 まだ科学的に未解明だが、おそらく空間の電磁気的擾乱が原因で大気中や地表に発生する“電子霧”が存在する。その電磁気的強度に応じて、まれには時空間ワープ、すなわち“タイムトンネル”効果を引き起こす。それにはプラズマの形成が関わっているに違いない。
“時空の穴”に吸い込まれて、この次元から消えるというのは、昔からよくある人間消滅事件、神隠しと同じだ。見方によっては、それは一つのアセンション―次元移行といってもいい。白っぽい雲のようなものというのは、一種のプラズマホール、プラズマ・ホットスポットとして出現したものではないのか。それは一種の窓となって、この次元とも重なり合っている過去の時空や、いくつかのパラレルワールドが見えたりした。
 今回、津波と放射能を浴びた被災地の土地で、文字通り“時空の揺らぎ”が起きているのだとしたら、そこにどんなエネルギー場が作用したのだろうか。これは自然界に次元間転移、時空間移動を引き起こすメカニズムが存在することを示している。
もしかして、そこで起きていることはミニチュアモデルで、いずれは日本全体、地球全体が白っぽい雲―プラズマに包まれ、“時空の穴”に吸い込まれる―そんな、これまでありえなかったようなことが起きる予兆として現れているのではないか。それは惑星ごとの次元転移、タイムワープといっていい現象だ。まさかのアセンションとは、そのことではないだろうか―。
*2011年12月号 『週刊現代』より転載

※画像はイメージです。
※個人的にはアセンションとは関係ないと思いますが、これが本当に起こったことだとしたら、非常にふしぎな出来事ですね。
————
また、こちらもネットの掲示板より、その不思議な体験をした方の話よりまとめ引用します。
【ネットの掲示板でみた書き込みより】
仮にその方をAさんとします。
Aさんは311の大震災で津波の被害を受けた一人であり、当日、Aさんはたまたま海岸の近くにいて迫り来る大津波から逃げるため必死に走って逃げた。しかしその津波に飲み込まれてしまい、気を失ってしまった。ふと足の痛みを感じて意識を取り戻した。
周りは砂浜となっていて、右足には金属の棒か何かが突き刺さっていたため、Aさんはそれを自分で引き抜くと血が流れ出ていた。
周りをみると、自分だけではなく何百人もの大勢の人がその砂浜に倒れている。3月といえばまだ寒い季節なのに、なぜだか春のように温かく感じられたという。Aさんは不思議に思いつついると、誰かキリストのような雰囲気を醸し出している(?)男性がやってきて、Aさんに「さぁ行きましょう・・・」と声をかけられある場所に案内された。
すると、そこで倒れていた人々も一緒になって起き上がり、彼に案内されていった。
津波で倒れていたにもかかかわらず、人々の足取りは軽く、Aさんも急峻な道のりをなぜか?楽々上っていくことが出来た。
そして案内されたところに到着したところ、
その部屋の中には、大きなスクリーンのようなものが取り付けてあるところで、連れてこられた人々には、たくさんの美味しい食事や飲み物がふるまわれたそうだ。
そしてそのスクリーンには、「これは先ほど日本で起こった出来事である」と解説されながら、地震や津波の様子が映し出されていていたそう。そして、そのスクリーンでは、その311での出来事だけでなく、今後日本で起こるであろうということがいくつか解説されながら映し出されていった。
そして、その後、すべての人々には快適な生活ができる家を用意され、家賃も食費もかからず、温暖な気候の中で暮らすように計らいがなされた。Aさんはここが天国なのだろう?と思ったらしい・・。
でも、不思議とそのことについて、聞くことはなかったとのこと。
そして、Aさんはその家賃も食費もかからない、温暖で快適な世界でずっと生きていきたいと思っていたのだけれども、それから約1週間ほど経過したのち、例の案内してくれた男性がやってきて
「あなたはもう帰らなくてはなりません」と告げられた。Aさんはその後、眠りについた。
そして目が覚めたところ、あの津波の当時に自分が住んでいた自分の部屋だった。なぜだか、夢で見た足のところの怪我の跡のようなところが癒えたのちの傷のようになっていた。
夢だったのか?と不思議に思いつつも、時間をみると「会社に行く時間ギリギリだと気づき、慌てて車にのって会社に行こうとしたところ、何かがおかしい?と感じつつ、その日の日時を確認したところ、その3月11日その日の朝だった。
「自分は3月11日をもう一度経験している!?」ということに気づき、当日は午後会社を休み、海岸を散歩していたことを思い出し、あれが正夢だとしたら!と慌てて会社に連絡をして休むことにしたのだそうだ。
すると、不思議なことに会社の上司は「何をいっているのか?もともと休むという連絡をもらっている」
というのだ。
「連絡した覚えはないのに・・?」
と思いつつ、家族もここから何とかして遠くに連れて行かなくてはならないという気持ちになり、
「今日は外に出かけよう!」と誘ったところ、家族も会社を休むなどして家におり、
「何を言っているんだ?今日はもともと家族で温泉に行こうと決めて旅館にも予約をいれてるじゃないか!」
と言ったのだそうだ。Aさんにはそんな記憶は全くなかった。とにかくも、そのとおりに会社を休んで温泉旅行に出かけたことにより、あの大震災での難を逃れることが出来た!という・・・。

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日本経済は、世界の良きモデルになる

投稿日: 2015年1月5日 | 投稿者: ★ちょろQコレクション★

クルーグマン教授・独白「日本経済は、世界の良きモデルになる」【1】
ノーベル賞経済学者が安倍総理に直訴
PRESIDENT 2014年12月15日号
その発言に各国の政府関係者から市場関係者までが注目する「世界のオピニオンリーダー」。アベノミクス、金融緩和、消費税再増税……プレジデントの独占取材にクルーグマン氏は自宅で答えた。
 私は昨年10月31日付のニューヨーク・タイムズに“Apologizing To Japan”(日本への謝罪)というコラムを書いた。主旨はこうだ。
 日本はバブル崩壊後、1990年代の初頭から20年間スランプを経験した。いわゆる「失われた20年」と呼ばれる時期だ。バブルが崩壊して10年近 く経った98年、私は「復活だあっ!」という論文で日本経済の問題を分析した。そこで「流動性の罠」の説明をした。それは中央銀行が金利をゼロまで下げて も金融政策としては十分ではないという状態だが、FRB(米連邦準備制度理事会)前議長のベン・バーナンキも日本政府に果敢な決断をするように2000年 に論文を発表した。私もバーナンキも日本政府の政策が不十分であると痛烈に批判したが、実は西洋と比較するとまだましであると言いたかった。ある意味では 我々には日本を痛烈に批判する資格はなかったかもしれない。ということで、私は「日本に謝罪する」というコラムを書いた。要するに自分の国や欧州のことを 棚に上げて日本を批判したことに対する謝罪ということだ。
 日本で話題になっているこのコラムは、欧米が日本の失策から学ぶべきことを学ばずに日本よりもひどい失策をしたことに対する反省と皮肉を込めて書い た。日本はかつて「反面教師」であったが、西洋が大失態をしたので、それどころかロール・モデルに見える。アベノミクスが奏功すれば、世界中の国は日本こ そがまさにロール・モデルになることを認めざるをえないだろう。
 私はアベノミクスを支持してきた。それだけに、安倍晋三首相が2015年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを先送りする方針を固めた というニュースを耳にして、ほっと胸をなでおろした。日本は消費税増税の第二弾を実行するかどうか、与党内でも真っ二つに分かれている。私は昨年11月6 日、首相官邸で安倍首相に直接進言する機会を与えられ、今はその時期ではないと、延期するように伝えていたからだ。
 私は日本経済に期待してやまない。日本の行方を「金融緩和」「円安」「女性活用」の3点から展望しよう。
 黒田東彦日銀総裁が、サプライズ追加緩和を発表したが、それにはもろ手を挙げて大歓迎である。称賛すべきことだ。今まで日銀や日本政府が実行してき たことは、消費税増税を除いてはすべて歓迎である。実際日銀が実行してきたことは別に斬新なことではなく、何年も前から私を含め、欧米の専門家たちが実行 するように促してきたことである。
 まず、なぜ黒田氏の追加緩和の決断が正しいか説明しよう。日本がデフレ状態から完全に脱していないことは明らかだが、その状態から脱するには「脱出 速度」に達さないといけない。脱出速度というのは元々重力圏からの脱出速度という意味だが、私は比喩的に使っている。今優先すべきことは、脱デフレのため になんでもやることであるが、消費税増税以外の政策はその点で正しい。
 消費税増税第一弾の影響はすでに出ており、予想通り消費に陰りが見えている。どれほど追加緩和を行ったとしても消費税増税はそれに真っ向から反する 策で、それは航空母艦から離陸しようとしている戦闘機がブレーキをかけている状態である。戦闘機が空母から落ちないように射出しなければならないときにブ レーキをかけたのでは、離陸に失敗するのは目に見えている。今の状態では溝にはまって底から体を押し上げて脱出しようとしているときに、力が足りなくなっ てまた底にたたきつけられる懸念があるということだ。アクセルを十分に踏んでいない状態である。サプライズ追加緩和でアクセルをまた踏んだが、消費税増税 第二弾を実施すれば、その推進力は相殺されてしまう。消費税増税の財政上の理由があったとしても、まず戦闘機が空母から離陸して飛行状態になるまで待つべ きである。だから私は安倍首相に増税を延期するようにと自分の意見を述べた。
 今の日本は33年、金本位制が崩壊したときのアメリカにもっとも近いだろう。そのときでさえ、4年後に経済はまた景気後退に陥った。日本は30年代 に同じようなことをしているが、日中戦争で戦わないといけなかったので、大規模の財政支出で助けられた。だから、今日本がやろうとしていることは誰も試し たことがないことである。奏功すれば日本が世界のモデルになると言いたい。
「臆病の罠」に陥っていないか
 黒田氏は実現すべきインフレ率を2%にしているが、実際に2%に達するには目標を4%にしなければならない。この4%という数字は以前から私が繰り 返し主張してきたが、なかなか受け入れてもらえなくて残念である。ここで「timidity trap」(「臆病の罠」、liquidity trap「流動性の罠」にかけている)について説明したい。
 「臆病の罠」というのは原則上正しい考えを持つ政策立案者が実行面で絶えず中途半端な施策に終わり、揚げ句の果ては政治的にも経済的にも期待外れに 終わるというものだ。日本の場合過去の政策と断固として決別し、我々のような欧米の経済学者が15年以上にもわたって、強く促してきた政策をやっと採り入 れた。とはいえ、実際に実行するときには現状が要求しているよりもインフレ目標を低く設定することが「臆病の罠」である。そうすると離昇達成に失敗するリ スクが高くなる。ロケットで言うと発射したものの空中分解してしまう状態になるリスクが高くなるということだ。黒田総裁はインフレが2%になることを予想 しているが、その根拠を示していない。私が言いたいのは、2%という目標が好況を生み出すのに十分ではない可能性があることだ。黒田氏の主張する2%とい う数字は、その基礎となるモデルが何かわからない。
 もしそれが正しくなければ何が起こるかと言うと、インフレ率が1%になるとそれ以上上がらずに、日銀が予想しているレベルには達さないということ だ。その場合政策の信憑性は崩壊する。今重要なことはインフレ率を上げるということを国民に信用させることで、インフレ率が上がれば、実質金利が下がるの でそれが景気拡大を生み出す。今度はそれがさらにインフレ率を上げるという好循環を生み出す。そうなって初めて期待が正当であることが実証されるのであ る。しかし、景気拡大が好況を生み出すのに十分でなければならない。インフレを目標レベルまで押し上げるのに十分な潜在産出量(資本や労働が最大限に利用 された場合に達成できると考えられる長期間維持可能な実質GDPの最高水準)よりも上のレベルで経済が機能しなければならない。確かに量的・質的金融緩和 の効果は出ているが、それでも私は懸念している。需要が弱い状態が続く限り、構造改革をすぐに実行することは難しいからだ。
 次に円安について説明しよう。まず大幅に円安になったことは政策の劇的な成功の一つである。日本のメーカーはアベノミクスが実行される直前、過大評 価された円について泣きわめいていた。そのあと円安になりかなり競争力がついたように見えた。例えば、建設プロジェクトがあって、ブルドーザーを買うとき に円安になる前と比べると今は小松製作所のものを買う可能性が高い。日本のメーカーが特定の商品の製造を日本でやるべきか、あるいは中国でやるべきか考え るときに日本で製造すれば実行計画が立てやすく、プロセスにもアクセスしやすいが、中国では賃金を安く抑えることができる。そういうプラス面とマイナス面 を総合的に見ると今は日本がより魅力的な場所である。日本で製造したほうがより利益が得られるだろう。
 一般的に通貨安は輸出を推進するという有力な証拠が歴史的にあるとすると、一方ではそういう影響は数回の四半期までは結果が見えにくいという経済 データもある。普通10%円安になると10%輸出が伸びるはずだが、円安の影響がもっと出てほしいと私は思っている。賃金が上がる前に物価が上がるという 円安のマイナス面が今出ているが、総合的に見ると円安のマイナス面よりもプラス面のほうが大きい。
 85年にプラザ合意でかなりドル安になったが、それから2年間ほどなぜアメリカ経済はよくならないのかと専門家たちは言い続けた。2年後にはアメリ カの貿易赤字は激減したが、それは通貨の大きな動きがあったときにその影響が出はじめるのに時間がかかるということだ。もう少し時間が経過すると輸出は伸 びると思う。プラザ合意は為替相場の貿易に対する影響において、一種の自然実験と言ってもいい。最終的には理屈通りになったが、タイム・ラグがあった。最 初の半年は何も起こらず、1年半経ってもあまり変化が見られなかった。2、3年してはじめてその影響が見え始めたのである。
 円安のマイナスの影響で物価はすでに上昇しているが、物価だけが上昇するのは当然好ましくない。賃金は年に3、4%上がり、物価は年に2%かそれ以上上がるのがいい。
 日本では今急速な円安のマイナス面が表面化し、物価が上昇しているが、それに対して賃金上昇が追いついていないために、スタグフレーションに陥りつつある。
ポール・クルーグマン
1974年イェール大学卒業。77年マサチューセッツ工科大学で博士号を取得。2000年よりプリンストン大学教授。大統領経済諮問委員会の上級エコノミ スト、世界銀行、EC委員会の経済コンサルタントを歴任。91年にジョン・ベイツ・クラーク賞、08年にノーベル経済学賞を受賞。
http://president.jp/articles/-/14177
http://president.jp/articles/-/14177?page=2
http://president.jp/articles/-/14177?page=3
http://president.jp/articles/-/14177?page=4

折りたたむ

クルーグマン教授・独白「日本経済は、世界の良きモデルになる」【1】 ノーベル賞経済学者が安倍総理に直訴:PRESIDENT Online – プレジデント

president.jp

「今まで日銀や日本政府が実行したことは、消費税増税を除いてはすべて歓迎」――。ノーベル賞経済学者が、今後の日本経済を展望する。