皇位継承安定への提言全文 自民有志「護る会」

投稿日: 2019年10月25日 | 投稿者: ★ちょろQコレクション★

 自民党の保守系有志議員のグループ「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」(代表幹事・青山繁晴参院議員)がまとめた「皇位継承の安定への提言」の全文は以下の通り。

【1】意義の確立

 わたしたち日本国民は、昭和20年、西暦1945年から74年間、天皇陛下と皇室の存在意義を学校で正面から教わることがないままに来た。それは家庭教育にも似通った現実をもたらしていると思われる。

 そのために、天皇陛下のご存在を男系・父系によって続けることの根本的意義あるいは世界的価値を知る機会に乏しい。

 まず、ここから再出発せねばならない。

 日本の天皇陛下は、諸国の皇帝や王と大きく異なった存在である。

 古代における仁徳天皇の「民の竈(かまど)」という故事によれば、天皇陛下は民の台所から夕餉(ゆうげ)を支度する煙が上がらないのをご覧になり、民の暮らしを楽にするために税を取るのをおやめになった。御自らの食事が粗末になり宮殿が傷むことより民を優先なさった。これは、今上陛下が祈られる際に、御自らの幸福を祈られることが無く、ただ民のために祈られることと直に繋がっている。

 すなわち「人のために生きる」という生き方、民と国の理念を、祈りを通じてすべての日本人にお示しになる存在である。

 民のための祭り主であられる役割を受け継がれることが、皇位継承の本質である。

 これらは天皇家という、初代より126代、二千数百年にわたる唯ひとつの血統によって受け継がれ、貫かれることによって実現している。

 皇位の歴史が男系・父系による継承であるために、父を一系で辿(たど)ることができ、仁徳天皇や神武天皇にまで繋がる天皇家の皇統が続いてきた。

 二千数百年にわたり変わらず受け継がれてきた、かけがえのない伝統を、ひとときの時代の価値観や判断で断絶することは許されない。

 われらはこの伝統を、日本国の根源として、また、変わりゆく世界のなかで変わらない安寧の国柄として護り抜かねばならない。

【2】基本認識の整理

1・男系、女系の違いは何か。

 男系とは、父方の血統で神武天皇と真っ直ぐに繋がることである。女系であれば、神武天皇と繋がらない。女系による皇位継承は、日本の歴史で一度たりとも起こっていない。男系による皇位継承を、いかなる例外もなく、126代一貫して続けてきたのが日本の伝統である。これは、性差による優劣を論じるものでは全くない。有史以来一貫して民族が尊び、保ってきた男系による皇位継承を堅持するのか、その伝統を断絶させてしまうのか、この論点こそが、皇位継承をめぐる事の本質である。

2・女性天皇と女系天皇はどう違うか。

 女性天皇は過去に10代8人、いらっしゃった。いずれも即位後は結婚なさらないか、御子をもたれず、男系・父系の男子に皇位を継承された。この女性天皇がもしも皇統に属していない方と結婚され御子が即位されていれば女系天皇、母系天皇となるが、それは一度も存在されたことがない。

 今後もし女系天皇、母系天皇を認めれば天皇家の皇室は終わり、異質の王朝(皇室)、すなわち神武天皇から受け継ぐ祭り主ではない「天皇ならざる天皇」を生み出すことに直結する。

3・男系、女系ではなく父系、母系と呼ぶのはどうか。

 女性差別という誤解を避けるためには、望ましい。変更するには皇室典範第一条「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」を「皇位は、皇統に属する父系の男子が、これを継承する」と改正する必要がある。

 男系という言葉を使った法は他になく、この改正だけで良い。

4・いわゆる女性宮家を創設すれば何が起きるか。

 宮家とは本来、男系・父系による皇位継承を確保するために先人が鎌倉、室町の時代にかけて創設した。すなわち父系で皇統に繋がる男子を広く世に求め、その男子を当主とする宮家をつくり、いつでも男系・父系の継承者になれる候補を確保するためである。したがって現代に新しい宮家を興す場合にも、男子がご当主でなければならない。

 「女性宮家」がいかなるものを指すのか、未だ定義がなされておらず、共有認識はないが、一般的には、女性皇族が皇統に属していない方と結婚後も皇族にとどまり、新たに宮家を創って当主になられることを表すと解されている。仮に「女性宮家」が創設されると、皇統に属していない方が有史以来、初めて婚姻によって皇族になることになり、万一、その子や孫が皇位に就かれた場合には、皇位の男系継承という日本の伝統は終焉となる。

5・皇位を継承できる男子皇族が極めて少ない現在の危機が起きた、その客観的な経緯は何か。

 敗戦と被占領により日本が主権を喪失していた当時に、GHQが昭和天皇の弟君の宮家以外の11宮家51人の皇族をすべて、強権を持って皇籍離脱させ、皇位を継承できる男系・父系男子の人数を極端に減らしたことによる。それ以外に、現在の危機の原因は見当たらない。

6・皇位継承の危機は初めてか。先人はどのように乗り切ってきたか。

 皇位継承の危機は、少なくとも古墳時代から起きていることであり、敗戦を経た現在だけの危機ではない。すなわち、危機を乗り切る智恵はすでにある。

 たとえば古墳時代の継体天皇は、その危機から生み出された天皇陛下である。先人は、親等の遠さ近さは問題とせず、男系・父系で皇統に繋がっていることを唯一無二の条件として広く男子を探した。そして越前(異説あり)におられた応神天皇の五世孫が即位され、継体天皇となられた。

7・父系で皇統に繋がる男子であれば、親等が大きく離れていても問題は無いのか。

 上記6の史実の通り、いかなる時代においても我が国では、男系・父系による血統で皇位を継承させることを最も重要な原則として貫いてきた実績があり、皇統として問題は生じない。

8・皇位継承をめぐる俗論の誤りとは何か。たとえば側室を置かないことが不安定化の原因だという説はどうか。

 これも上記、継体天皇の即位を考えれば、皇后陛下以外に妃(現代用語あるいは武家用語では側室)が数多くいらっしゃった時代にも、皇位継承の危機は起きている。

 したがって、側室を置かない限り問題が解決とならないなどという評論は俗説に過ぎない。前述の通り、皇位継承の安定策は先人の知恵の中にすでにある。

【3】現状の簡潔な整理

 皇室典範の定める皇位継承者が3人(秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下、常陸宮親王殿)しかいらっしゃらず、うち、次世代の継承者と言えるのは、悠仁親王殿下お一人という現状にある。

 今後は、おそらくは数十年を経て悠仁親王殿下が即位され、そのあと男子がお生まれにならなければ皇位継承者が絶える怖れがある。その時代には、現存の宮家がすべて絶えている可能性があるからだ。

 [立法府においては、平成29年6月の「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の成立の際、「政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、皇族方のご年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であることに鑑み、本法施行後速やかに、皇族方のご事情等を踏まえ、全体として整合性が取れるよう検討を行い、その結果を、速やかに国会に報告すること」という文言を含む附帯決議を議決している。]

【4】具体的な安定策

まず、守るべき大原則として、現在の皇位継承順位は一切変えないものとする。旧宮家の方々が皇室典範の改正あるいは特例法の制定、およびご当人の了承のご意思によって皇族に復帰された場合でも同様とする。

 事実上、以下の両案に絞られる。さらにこの両案は統合することができる。

(イ)養子および婿養子案

 旧宮家の男子が、現皇族の養子となられるか、女性皇族の婿養子となられる案。お生まれになる子が即位された場合、父が天皇の血を引くという男系・父系の原則を満たすことができる。

 後者の婿養子となられる場合、その旧宮家の男性がご当主となり新しい宮家を創設することがあり得る。またこの際の重要な注意点は、婚姻はご当人の自由意志に基づく自然なものでなければならないことである。

 さらに、皇族の養子を禁じた皇室典範9条、また一般国民の男性は皇族になれないとする皇室典範15条の改正か、特例法の制定が必要となる。

(ロ)旧宮家の皇籍復帰案

 政府機関の非公式な調べによると10代5人、20代前半2人の皇位継承者たり得る男子、すなわち男系・父系で皇統につながる男子が旧宮家にいらっしゃるという現況に鑑み、国民的理解に基づく立法措置を経たのちに、そのなかから了承の意思を持たれる方々に皇籍に復帰いただく案。

 上記の皇室典範15条を改正するか特例法を制定すれば可能となる。

(参考)

 前述の継体天皇の即位当時と同じく、皇統に父系で繋がる男子をあらためて全国から探す案もあり得るが、上述のように旧宮家のなかに皇位継承者たり得る男子が少なからずいらっしゃることを考えれば、いたずらな混乱を避けるために、実行すべきではない。

 上記を統合すると以下のようになる。

 「旧宮家の男子について、了承いただける方には皇籍に復帰いただけるよう、また現皇族の養子か女性皇族の婿養子となられることがあり得るよう、皇室典範の改正または特例法の制定を行う」

【5】手順

(1)皇室典範を改正する(2)皇室典範の改正は行わないか、最小限度に留め、ご譲位と同じく特例法の制定を行う-の両案があり得る。

 後者の特例法は、ご譲位の際と同じく立法府の円満な合意形成に寄与することが期待できる。

 この特例法は、現在の皇位継承順位を堅持し、父系の皇位継承者を安定的に確保するため皇室典範第9条「天皇及び皇族は、養子をすることはできない」および第15条「皇族以外の●(=者の日の右上に「、」)及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない」という条文に関連しての特例法の制定となる。

 すなわち、旧宮家の男子に限っては養子となることができ、また婚姻によっても皇族となることができるという特例である。

 仮に【2】基本認識の整理の3で述べた皇室典範第1条の改正により「男系」という用語を「父系」に改めておけば、特例法においても「父系」という用語を用いることができる。

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