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海の権益どう守る

投稿日: 2012年10月2日 | 投稿者: ★ちょろQコレクション★

海の権益どう守る
~尖閣・資源…高まる関心 9月30日(日)日経電子版
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日本は主権が及ぶ領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた海洋面積で世界6位の海洋国家である。資源開発を巡って海への関心が高まるなか、海洋権益を守る体制は十分なのか。国連海洋法条約の採択から30年になる今、海のルールを考えてみた。

■領海
「いま領海が脅かされようとしている。しっかり守る意思を示したい」。自民党総裁に就任した安倍晋三元首相は就任会見でこう強調した。尖閣諸島周辺で繰り返される領海侵入に強い姿勢を示すことは支持に結びつくとの手応えを感じているようだ。
 領海でも外国船舶には平和や秩序、安全を侵さなければ通過できる「無害通航権」がある。有害な行為に当たるのは主権や領土保全への武力による威嚇、軍事演習、重大な汚染、調査・測量などで、尖閣の領有権を主張する中国や台湾の船は無害ではない。
 領海で外国船舶が無害でない行為をした場合、海上保安庁は領海から退去するよう警告できる。ただ強制的に排除する手立ては現状ではない。8月の海上保安庁法改正で海上保安官が上陸者を陸上で逮捕したり、領海内の外国船舶に立ち入り検査なしで退去を命令したりすることができるようになったが、さらに厳しい対応を求める声も根強い。

日本の領海は国連海洋法条約に基づき、潮が引いたときの海岸などから12カイリ(約22キロメートル)の海域と規定。ただあえて3カイリ(約5.5キロメートル)にとどめて領海にしていないところがある。宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡の東水道と西水道、大隅海峡の5海域だ。
 例えば津軽海峡で12カイリを採用すると海峡はすべて領海になる。政府は領海にしない理由を「各国船舶の通航が多い海峡の自由な通航を確保するため」と説明する。ただ、領海では潜水艦は浮上しなければならないため、米軍の運用を制約しないよう領海にしていないとの指摘もある。

■排他的経済水域
世界の海はかつて「領海は狭く、公海は広く」を伝統的な考え方とし領海は3カイリだった。その後、海洋資源を求めて管轄海域を広げようとする動きが拡大。1982年に採択された国連海洋法条約で領海が12カイリに広がり、領海の外の200カイリ(約370キロメートル)まで沿岸国が海洋資源を管轄できる排他的経済水域が設けられた。
 排他的経済水域で沿岸国に認められるのは漁業資源や鉱物資源など経済的な権益。外国が資源探査するには沿岸国の許可が必要になる。ただ地質など科学的な調査は外国から申請があれば沿岸国は原則として同意することが求められる。科学的な調査を装った資源探査もあるとみられ、政府は慎重に見極めている。

 

■大陸棚
 最近、注目を集めているのが鉱物資源が眠る大陸棚だ。大陸棚は外縁部が延びていれば350カイリ(約648キロメートル)まで延伸できる。国連大陸棚限界委員会は4月、日本が申請した延伸を認め、国土面積に近い約31万平方キロメートルが日本の大陸棚に加わることになった。中国、韓国が反発する沖ノ鳥島周辺の一部海域は保留になっている。
 中国も東シナ海の大陸棚が沖縄本島近くの沖縄トラフ付近まで続いているとして大陸棚の延伸を申請する方針。日本は延伸した場合、東シナ海での日中の境界と主張している中間線を越えるとして反対している。
 大陸棚限界委員会は地質学などの専門家から21人の委員を地域別に選ぶ。このうちアジア地域枠は5人。日中韓3カ国はそれぞれ委員を出そうとしのぎを削っており、アジア枠の選挙は常に激戦だという。